デンタルニュース

2017.11月号 その口臭、原因は歯周病かも!

最近、自分の口臭が気になってきたり、自分の周りの人が臭っているかも…と思ったり、家族に口臭があると指摘されたことがある方はいませんか?その臭いの原因は、歯周病かもしれません。
★歯周病とは?
歯周病とは、歯ぐきに炎症を起こし、歯ぐきや歯を支える歯槽骨を溶かしていき、最終的には歯が抜け落ちてしまう恐ろしい病気です。中年以降の日本人の 80%以上が罹っているといわれており、歯を失う原因のナンバーワンです。歯周病の初期症状は「歯茎が赤く腫れた」「ブラッシングの際に血が出た」などで、痛みもなく気付きにくいため、歯周病は「サイレント・ディジーズ(静かに進行する病気)」という別名があります。膿が出る、歯がぐらぐらして噛むと痛むなど、本人が気付くような症状が出てからでは、歯茎の切開手術をしたり、抜歯しなければならないほど手遅れの場合が多くなります。そのため、年に一度は歯周病の検査を受けましょう。歯周ポケットが 4 ㎜以上あれば歯周病です。重症化予防のため、継続して治療を受ける必要があります。
★歯周病が原因の口臭、臭いの特徴
歯周病が原因の口臭は、とても強烈な臭いです。歯周病が進行するほど、更に強烈になっていきます。これは、歯周病菌は、食べかすや剥がれ落ちた口腔内の細胞をエサにして生きており、そのエサを分解する際に、硫化水素という卵が腐ったような臭いが発生するのに加え、歯と歯の間にできたみぞにたまる歯石(しせき)がメチルメルカプタンという、玉ねぎが腐ったような臭いのガスを発生させるからです。
歯周病が進行して、ひとたび歯周ポケットが深くなってしまうと、深い歯周ポケットに歯垢がたまります。これは歯磨きでは落とすことができないため、口臭を取り除くことはできなくなります。
更に歯周病が進行し、歯茎が退縮してしまって「膿」まで出てくるようになると、その膿も強烈な臭いの元となります。絶対にイヤですよね!
★歯周病は予防が大切
歯周病の予防で一番大切なのは、歯磨きです。毎日の歯磨きを丁寧にするよう心がけましょう。
しかし、歯みがきを使ってどんなに丁寧に歯を磨いてもプラークを 100%落とすことはできません。
磨き残したプラークは歯石になって、3 ヶ月ほどで病原性を増していきます。歯周病やむし歯を予防するためには、歯科医院へ行って、歯磨きでは落とせない汚れを、歯科衛生士に専用の器械や器具を使って徹底的に掃除してもらう必要があるのです。歯周病は、歯を失うだけでなく、動脈硬化、高血圧、脳疾患系、糖尿病、アルツハイマー型認知症などの全身疾患の原因となる恐ろしい病気です。健康の為にも、3 か月に 1 度は歯科医院でお口のクリーニングを受けましょう。また、今お口のことで気になる症状がある方は、すぐにご相談ください。

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